モノづくりの可能性を広げる株式会社ソディックの技術と加工事例紹介 | マシニングセンタ大解剖
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モノづくりの可能性を広げる株式会社ソディックの技術と加工事例紹介
公開:2024.12.18 更新:2024.12.18株式会社ソディックは、NC放電加工機やマシニングセンタなどを開発・提供する企業で、革新的技術を活用し、精密な加工と自動化を実現。UX450LとUX650Lのマシニングセンタは高速かつ高精度な加工が可能で、さまざまな加工事例に成功しています。
目次
モノづくりに真摯に向き合う株式会社ソディック
株式会社ソディックは、1976年に設立され、NC放電加工機や高精度マシニングセンタなどの開発から保守サービスまで一貫して提供する企業です。国内外のものづくりに貢献する実績を持ち、今も成長を続けています。ソディックがどのような理念でものづくりを行っているのかを見ていきましょう。
◇ないものはつくる!株式会社ソディックの理念
ソディックの開発理念は「世の中にないものは自分たちで創る」であり、研究開発のみならず、製造工程全般のサポートも行っています。たとえば、Sodick-IoTを使った生産性向上や、AI技術を活用した切削加工支援などがあります。また、独自のSRT工法を駆使して高精度な造形を実現し、自社開発のワイヤー電極線などで現場のサポートも行っています。
◇株式会社ソディックの歩み
ソディックの製品開発は、放電加工機のモーターを制御するNC装置から始まりました。創業年には、マイクロコンピューターを搭載したNC形彫り放電加工機1号機を納入し、翌年には世界初のNC形彫り放電加工機用電源「GPC」シリーズを完成させました。1980年代には、セラミック技術を活かした5軸同時制御のNCワイヤ放電加工機「300W」を開発し、放電加工機の自社開発を本格化させました。
その後、より高速・高精度な加工を実現するため、リニアモーターの開発に着手し、SMC技術でその動作を制御する技術を開発しました。しかし、放電加工機でプラスチック金型を使うと、最終的な部品の品質が安定しないという課題が浮き彫りになり、成形機の自社開発に踏み切ります。これにより、射出・可塑化機構「V-LINE®方式」を採用したハイブリッド成形機を完成させました。
V-LINE®方式と直圧型締機構を組み合わせたこの成形機は、従来の機械に比べて製品の再現性が向上し、機械間の差も小さくなりました。さらに、産業機械の自動制御を可能にするPLCや、スマートフォンのような感覚で操作できるマルチタッチ型液晶CNC装置も開発され、技術力を一層強化しています。
技術力を活かして幅広い分野の製品を提供
ソディックは放電加工機をはじめとするさまざまな機械やソフトウェアを手掛けてきたメーカーです。世界中のものづくりの現場で高く評価されているソディックの製品について、ここではその多種多様なラインナップをご紹介します。
◇多種多様な製品の提供
ソディックは放電加工機だけでなく、ハイスピードマシニングセンタをはじめ、工作機械や産業機械、食品機械など幅広い製品を提供しています。たとえば、食品機械には製麺機や無菌包装米飯製造システム、惣菜殺菌装置などがあり、ひとつの分野で豊富なラインナップを誇ります。
また、Sodick IoTを活用した機械の自動化サービスやファインセラミック製品、LED照明機器の電源開発から製造まで手がけており、幅広い分野での対応が可能です。これらの製品は、特定の業界に限らず、さまざまなニーズに対応しています。
◇株式会社ソディックの工作機械
ソディックの放電加工機、特に形彫り放電加工機やワイヤ放電加工機は、世界的にトップクラスのシェアを誇ります。また、金属3Dプリンタやリニアモーター搭載の3軸マシニングセンタ「450L」、超精密ナノマシニングセンタ「AZ275nano」などもラインナップに加わり、工作機械の分野でも優れた技術を提供しています。
自社開発の3次元CAD/CAシステム「DiProSOLID(ダイプロソリッド)」やスケジューラー「Mr.Sodick」など、ソディックは自動化を支えるソフトウェアも開発・提供しており、製品の自動化が可能です。これにより、効率的な生産と精度の高い加工が実現します。
株式会社ソディックのマシニングセンタ
ソディックが手掛けるマシニングセンタには、3軸のUXシリーズのUX450LとUX650Lがあります。ここからは、これら2種類のマシニングセンタの特徴について詳しく見ていきましょう。
◇UX450L
UX450Lは、自社開発のNC装置とリニアモーターを搭載し、主軸ヘッドの質量を8.3%軽量化しました。さらに、リニアスケールを配置することで軸応答特性が向上しています。ATC機構の改良により、従来機であるUH430Lと比較して、工具交換時間を50%程度短縮可能です。主軸回転速度は1500〜60000min-1で、高速で高精度な加工が実現されています。
また、主軸本体を覆う構造体に冷却液を流すことで、機械の姿勢変形を抑制しています。主軸の温度や回転速度情報を取得し、熱変位を推定して高精度な補正が可能です。主軸オリエンテーション機能を採用し、振れ精度のバラつきを防止する点も特徴です。450Lは、最大加工物質量100kgまで対応可能です。
さらに、省エネ対策としてアイドリングストップ機能を搭載し、一定時間停止後に自動で電源が遮断され、消費電力を削減します。加工中やエラー発生時に動画・画像を記録するマシニングレコーダー機能も搭載されており、原因調査の際に役立つ情報を提供します。
◇UX650L
UX650Lは、X軸を含む主軸ヘッド質量を11%軽量化し、各軸にリニアスケールを配置することで軸応答特性がさらに向上しました。450Lと同様に、工具交換時間を50%短縮でき、主軸回転速度は1500〜60000min-1で、高速かつ高精度な加工が可能です。
450Lとの大きな違いは、各軸ストローク、機械の重量、加工物の最大物質量にあります。UX650Lでは、最大300kgまでの加工物を扱うことができ、450Lよりも大きな加工物に対応できる点が最大の強みです。また、総電気容量が28KVAであることも、UX650Lの特徴のひとつです。
ソディックのマシニングセンタ加工事例を紹介
ここまでソディックのUXシリーズのマシニングセンタについてご紹介しました。高速で高精度な加工が強みのソディックのマシニングセンタを使用した感想が気になる方も多いかもしれません。ここからは、実際にソディックの3軸リニアモータ駆動マシニングセンタを使用して加工した事例を2つご紹介します。
◇角もの部品の鏡面加工事例
UX450Lを使用したリフレクタの鏡面加工の事例です。この加工では、材質にSTAVAX(硬度52HRC)を使用し、仕上げ工具にはPCDボールエンドミルを使用しています。表面の粗さはRa0.006μmまで仕上げられ、三角形の形状に加工された部分では、辺がまっすぐで美しい直線を描いています。角もシャープで、面は完全な鏡のように仕上がっています。
◇小径レンズ金型モデルの量産に成功
こちらの事例でも、UX450Lを使用してマイクロレンズ8個の4セット、合計32個のレンズを一度に小径レンズの鏡面加工を行いました。すべてのレンズが同じ高い品質を保証する必要があり、個々のレンズの形状には最大限の正確性や鏡面仕上げが求められました。その結果、UX450Lを使用した加工で、小径レンズ金型モデルの量産に成功しました。
株式会社ソディックは、1976年に設立された企業で、NC放電加工機や高精度マシニングセンタなどの製造・開発を行い、国内外のものづくりに貢献しています。ソディックの開発理念は「世の中にないものは自分たちで創る」であり、革新的な技術を駆使して、製造工程のサポートも行っています。Sodick-IoTやAI技術を活用した生産性向上を図り、独自の技術で現場を支えています。
同社は、1980年代から本格的に放電加工機を自社開発し、その後もリニアモーターやV-LINE®方式を採用した成形機などを開発してきました。これにより、高精度な加工や製品の再現性向上を実現し、さらにスマートフォン感覚で操作できるCNC装置などの開発も進めています。
ソディックは、放電加工機や工作機械をはじめとする多種多様な製品を提供しており、食品機械や産業機械も手がけています。自社開発のソフトウェアにより、製品の自動化が進み、効率的な生産と高精度な加工が可能となっています。
また、ソディックのマシニングセンタは、UX450LとUX650Lという2つのモデルがあり、どちらも高速かつ高精度な加工を実現します。UX450Lはリニアモーターと自社開発のNC装置を搭載し、工具交換時間の短縮や省エネ機能を備えています。UX650Lは、450Lより大きな加工物に対応できるため、より幅広いニーズに応えています。
実際の加工事例としては、UX450Lを使用した角もの部品の鏡面加工や、小径レンズ金型モデルの量産に成功した例があります。これらの事例は、ソディックの技術力を証明するものです。
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