世界最大手の工作機械メーカー・DMG森精機が追求するマシニングセンタの魅力 | マシニングセンタ大解剖
企業情報
世界最大手の工作機械メーカー・DMG森精機が追求するマシニングセンタの魅力
公開:2025.01.25 更新:2025.03.03
DMG森精機は、工作機械業界で世界的に高いシェアを誇り、技術革新と自動化推進を進めています。環境配慮型経営やアディティブマニファクチャリングにも注力し、効率的で高精度な製品群を提供。DMP 70やNHX 5000などが多様な産業で活躍しています。
目次
DMG森精機とは
DMG森精機は1948年創業の歴史を持ち、経営統合や技術革新、環境配慮型経営を通じて工作機械業界で世界的な地位を確立しています。
◇沿革
DMG森精機は1948年に奈良県で繊維機械の製造・販売を開始し、その後、工作機械分野へ進出しました。特に2009年にドイツのギルデマイスター(DMG)との協業開始が転機となり、2016年には完全統合を果たします。この統合により、両社の技術力と市場ネットワークを融合し、業界最大級の工作機械メーカーへと成長しました。
さらに、同社はM&Aを積極的に推進し、スイスやフランスの企業を次々に買収するなど、グローバル規模で事業基盤を強化してきました。この過程で、部品内製化やサービス体制の充実、直販体制の構築にも注力し、顧客対応力を向上させています。これらの取り組みにより、DMG森精機は世界中で信頼されるブランドへと成長しました。
◇工作機械でトップシェアを占有
工作機械業界の市場シェア分析では、DMG森精機が4.42%を占め、世界第2位のシェアを誇ります。この数字は、トルンプ(5.91%)に次ぐ規模であり、日本企業としてはトップの位置にあります。同社の競争優位性の一つは、多様な産業分野に対応した幅広い製品ラインナップです。
マシニングセンタやNC旋盤など、高度な精度と効率性を兼ね備えた製品群は、多くの顧客から支持されています。また、同社はSDGsの実現を目指し、カーボンニュートラル達成にも注力しています。2021年には全世界でのカーボンニュートラルを実現し、再生可能エネルギーの導入や環境負荷の少ない製品開発に取り組んでいます。このような環境配慮型経営が、競争優位性を高める要因となっています。
さらに、DMG森精機はアディティブマニファクチャリング(AM)市場にも注力しており、2030年までに売上の1割をAM関連製品で占めることを目標としています。この新たな技術分野への進出は、同社の将来的な成長を後押しする重要な戦略です。
DMG森精機が掲げるマシニング・トランスフォーメーション
DMG森精機は工程集約や自動化を通じて、生産性の向上と効率化を実現。革新技術により業界をリードしています。
◇工程集約
DMG森精機が開発した「Gear Production+」は、従来複数の機械が必要だった歯車加工を1台のマシニングセンタで完結させる革新的技術です。このソリューションでは、5軸制御マシニングセンタ「NMV 5000 DCG」に歯車研削ユニットを搭載し、旋削やミーリング、歯車の荒加工から仕上げ加工までを一貫して実施可能です。
例えば、内歯車スパーギヤの加工において、従来32分を要していたサイクルタイムを17分に短縮することが実証されました。この約47%の時間短縮は生産ライン全体の効率化に寄与します。また、専用のクランプ機構による高剛性保持や歯合わせ機能など、精度向上を目指した技術も導入されています。これらの取り組みは、DMG森精機が掲げるMX(モノづくり革新)の具体例として、顧客の生産効率向上に大きく貢献しています。
◇自動化
DMG森精機のもう一つの重要な柱である自動化は、生産性向上と労働負荷軽減を実現します。同社は、自社製ワークハンドリングシステム「MATRIS」や「MATRIS Light」を導入し、工作物の脱着や運搬の自動化を推進。これにより人的作業を削減し、夜間の無人運転が可能になりました。
さらに、AIを活用して切りくずやスラッジの除去、クーラントの微粒子捕集などの付帯技術を開発。これにより、生産停止リスクを低減し、安定した生産環境を提供しています。また、DX(デジタルトランスフォーメーション)を取り入れた自動化も進行中です。
DMG森精機が提供する「DMG MORI GATEWAY」は、工場内の機械をネットワークで接続し、リアルタイムで稼働状況をモニタリングします。これにより、生産ライン全体の可視化と効率化を実現し、自動化の更なる高度化を支えています。
DMG森精機のマシニングセンタ

DMG森精機のDMP 70、NHX 5000 3rd Generation、KBT-15B.Aは、それぞれ異なる特長を持ち、さまざまな産業で高精度・高効率な加工を実現しています。
◇DMP 70
DMP 70は、立て形高速マシニングセンタとして開発され、高い加工精度と生産能力を誇ります。最高回転速度24,000㎜-1の高速主軸(オプション)を備え、省スペース設計ながら高いパフォーマンスを発揮します。設置面積はわずか4.3㎡未満で、小規模な生産ラインにも最適です。
また、回転傾斜テーブルを搭載した5軸仕様にも対応し、複雑な形状の部品加工にも柔軟に対応可能です。さらに、自動化システムとの統合が容易で、夜間無人運転や連続加工にも適応します。特に、航空機や医療機器部品の製造において、精度と効率の両立が求められる現場で高い評価を得ています。
◇NHX 5000 3rd Generation
NHX 5000 3rd Generationは、横形マシニングセンタのスタンダードモデルで、自動車産業をはじめとする多彩な分野で活躍しています。このモデルは、高速・高剛性な加工を可能にする「speedMASTER主軸」を搭載し、安定した高精度加工を実現します。
特筆すべきは、肉厚で高剛性なベッド構造と、高速固定サイクルやMPC(マシンプロテクションコントロール)といった最先端のデジタルソリューションが装備されている点です。これにより、長時間の連続加工でも優れたパフォーマンスを発揮します。また、自動化オプション「LPP」や「MVC」を組み合わせることで、異なる形状のワークにも柔軟に対応可能です。
◇KBT-15B.A
KBT-15B.Aは、高剛性と大容量を兼ね備えた横中ぐりマシニングセンタで、テーブルサイズ2,000 × 2,200 mm、最大許容質量25,000 kgを誇り、大型ワークの加工に適しています。さらに、Y軸(主軸頭上下方向)を2,300 mm、Z軸(コラム左右方向)を1,600 mmに拡張し、加工領域を大幅に広げています。
このモデルは、主軸駆動に3段変速を採用し、高トルクで重量物の重切削を安定して行うことができます。これにより、重工業や大型装置の製造現場で効率的かつ精密な加工を実現します。また、従来モデルと同様の高精度を維持しながら、大幅な生産性向上を可能にしています。
その他のマシニングセンタメーカー
日本の工作機械業界では、「メクトロン」「キクカワエンタープライズ」「高松機械工業」がそれぞれ異なる特徴と強みを持ち、特定分野で活躍しています。
◇メクトロン
メクトロンは、精密加工と自動化技術を融合させた製品を提供する先進的なメーカーで、「開発・設計・生産の一貫体制」を掲げ、多様な産業分野のニーズに対応しています。特に、同社の製品には独自の加工ノウハウが詰め込まれており、高い生産性と信頼性を誇ります。
代表的な製品として、迅速な工具交換を実現する「ダブルアームATC」や、自動化対応の「標準ローダーシリーズ」があり、これらは自動化ラインでの効率を大幅に向上させるため、多くの製造現場で活用されています。次世代FA(ファクトリーオートメーション)に向けた取り組みも進めており、産業全体の進化に貢献しています。
◇キクカワエンタープライズ
キクカワエンタープライズは、1897年に創業した国内最古の木材加工機メーカーとして知られ、技術は「切る・削る・磨く」の高度な技術力を核に、金属や樹脂の加工分野にも応用されています。これにより、工作機械分野でも高い評価を得ています。
同社の製品群は、顧客のニーズに合わせて1台ごとにオーダーメイドで製作され、豊富な経験と技術を基にした高品質な加工が可能です。また、自然災害への耐久性を考慮した強固な施設や物流面の優れた立地も、同社の信頼性を高める要因となっています。
◇高松機械工業
高松機械工業は、70年以上の歴史を持つ老舗メーカーで、CNC旋盤を中心に展開しています。主要顧客にはトヨタ自動車やデンソーなどの大手自動車メーカーが名を連ねており、その製品はエンジン部品やミッションなど、幅広い分野で活用されています。
同社の強みは、自動化技術を組み合わせたカスタム生産ラインの提供です。複数の旋盤を連結した生産ラインや、自社開発の周辺装置を取り入れることで、顧客の要望に応じた最適なソリューションを実現しています。
DMG森精機は1948年に創業し、工作機械業界で世界的な地位を築いています。特に、2009年にドイツのDMGと協業し、2016年には完全統合を果たし、グローバルな企業へと成長しました。M&Aを推進し、スイスやフランスの企業を買収して事業基盤を強化。また、部品内製化やサービス体制の充実に注力し、顧客対応力を高めています。
DMG森精機は、工作機械業界で2位のシェアを誇り、高精度・効率的な製品群で多くの産業に対応。特に、マシニングセンタやNC旋盤が支持されています。環境配慮型経営にも力を入れ、2021年にはカーボンニュートラルを達成。さらに、アディティブマニファクチャリング(AM)技術に注力し、2030年までに売上の10%をAM関連製品にする目標を掲げています。
技術革新においては、工程集約や自動化の推進が重要な柱。特に「Gear Production+」は、歯車加工を1台で完結させる技術として効率化を実現。自社製ワークハンドリングシステムやAI技術を活用して、生産性向上と労働負荷軽減を達成しています。また、「DMG MORI GATEWAY」を使い、生産ラインの効率化を支援しています。
同社の代表的な製品であるDMP 70、NHX 5000 3rd Generation、KBT-15B.Aは、精度と生産能力に優れ、航空機や自動車産業などで活躍。特にDMP 70は、省スペースながら高性能を発揮し、自動化システムとの統合が容易です。
日本の他のメーカーであるメクトロン、キクカワエンタープライズ、高松機械工業も、それぞれ自社の強みを生かし、特定分野で活躍しています。メクトロンは自動化技術に、キクカワエンタープライズはオーダーメイド製品に、そして高松機械工業は自動化されたカスタム生産ラインに特化しています。
自社にピッタリなマシニングセンタはどれ?
ニーズで選ぶ! おすすめ企業3選
コスト削減とサポート
メクトロン
個別カスタム得意!
充実のアフターサポートも◎

特徴
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- 自動化システム導入可能!生産性の向上とコスト削減に大貢献
- コンパクトなサイズで設置スペースが限られる工場や作業現場にも適応
品質と耐久性
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