マシニングセンタが内製化をサポート!導入事例をご紹介 | マシニングセンタ大解剖
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マシニングセンタが内製化をサポート!導入事例をご紹介
公開:2024.05.27 更新:2024.05.27製造加工業界では効率化と生産性向上を目指し、マシニングセンタの導入が進んでいます。特に、門形マシニングセンタは広いテーブルと高い剛性を持ち、大型製品の重切削加工に適しています。今回の事例では、大型の加工対象物に対応するため、ニデックの門形マシニングセンタMV16Bxが採用されました。
こちらでは、導入の経緯や効果を中心に、マシニングセンタがどのように内製化を支援するかをご紹介します。この導入事例から、効率化と生産性向上にどのように貢献したのかを詳しく見ていきましょう。
目次
独創的な技術開発でさまざまな事業を展開
近年、金属加工や機械加工をはじめとする製造加工業界では自動化が進んでいるため、マシニングセンタの導入を検討する企業が増加しています。マシニングセンタの導入を検討する企業が抱える課題は企業によってさまざまです。
特に作業の効率化という点で導入を検討する企業が多く、今回の顧客の事例も効率化が要因のひとつとなりました。ここからは、とある企業のマシニングセンタの導入事例を解説します。
◇製缶加工から3Dプリントまで幅広く対応
顧客は、主に鉄製缶・機械の加工を行っている企業です。製缶から3Dプリントまで幅広く対応しており、各種機械部品をはじめ、独自のレーザーヘッドの設計・製作から販売まで行っています。さまざまな機械部品の製作・加工を手掛けており、特に重量10tクラスの大物製缶部品の製作・加工が強みです。
多品種少量生産やリピート品は、溶接ロボットシステムで構築して提供しています。また、3DCAD・3Dプリンターを使用したマスク・樹脂製のマスクシールドの製造にも取り組み始めました。
◇製缶の前工程で横中ぐり盤を使用
製缶の前工程では、溶接する前に平たい板金に必要な穴あけや座面の加工を行います。この工程を「前工程」と呼んでいます。横中ぐり盤はこの前工程で使用されていました。
具体的には、溶接すると箱のような形になる製缶物の各部品を、溶接前のバラバラの状態で加工します。横中ぐり盤を使うと、平たい板金に対して複雑な加工を行うことができますが、立形マシニングセンタの方が段取りしやすく、機械の占有スペースも小さく済むため、立形に置き換えを検討していました。
さらに、当時は前工程を担当していた外注先が廃業したこともあり、効率よく内製化する必要がありました。これにより、前工程の効率化と内製化が急務となっていたのです。
機械加工の内製が求められる
画像出典先:ニデック株式会社
顧客の企業は、これまでもマシニングセンタを使用していましたが、新しいマシニングセンタを導入しようと検討した理由は内製化だけではありません。具体的には以下2つのような理由がありました。
◇既存のマシニングセンタでは精度を維持できない
顧客が新たにマシニングセンタの導入を検討したきっかけは、既存のマシニングセンタでは精度を維持できない機械部品が出てきたためです。もともと、横型マシニングセンタを使用しており片側面を加工したら段取り替えし、もう片側面を加工する方法で製品を製作・加工していました。
しかし、この方法では向かい合う穴が合わず、生産効率も悪いという課題が、新しいマシニングセンタの導入に至ります。
◇前工程を外注できなくなった
2つ目の理由は、製缶の前工程を外注していた業者が廃業して外注できなくなったためです。これまで委託していた工程が外注できなくなったことから、社内で生産しなければならなくなりました。
ニデックの門形マシニングセンタを選んだ理由
顧客企業は部品の精度を維持し尚且つ内製化を図るため、現在ではニデックの門形マシニングセンタを導入し、現在は製造加工の効率化に成功しています。ニデックのマシニングセンタは、生産性の向上が期待できるといった点が導入するメリットです。顧客がニデックの製品を選んだ理由も以下の2つでした。
◇最適なテーブルの広さとスペックを備えていた
顧客は細長い板の加工を行うため、テーブルの長さが1500mmから2000mmほど必要でした。また、一度のセットアップで両側面を加工できる五面加工機を希望していました。そこで、最適なテーブルの広さとスペックを備えた「門形マシニングセンタMV16Bx」を導入しました。
門形マシニングセンタMV16Bxのテーブルは1500mm×3250mmの広さがあり、五面加工が可能です。このマシンは高い剛性を持ち、主軸が突き出しても重切削ができる強度を備えています。そのため、重い作業でも高精度で対応できます。
さらに、非切削時間の短縮や広い加工エリアを実現する高い生産性も魅力です。また、トラブル対応と稼働率向上支援システム「DIASCOPE」やガイダンス機能など、ユーザーにとって便利な機能が標準で搭載されています。これらの理由から、ニデックの門形マシニングセンタMV16Bxは最適な選択となりました。
◇既存の基礎を活用できた
門形マシニングセンタMV16Bxは、一からマシニングセンタを構築する必要がなく、横中ぐり盤の既存の基礎を上手く活用するアイデアを取り入れられるのも、ニデック製品のメリットのひとつです。
またニデックの門形マシニングセンタMV16Bxは、ほとんど基礎に手を加える必要がないため、別メーカーの横中ぐり盤を使用する必要もありません。その結果、基礎に手を加えるという手間が省けるだけでなく、コスト削減にもつながりました。
内製の生産性が向上
ニデックの門形マシニングセンタの導入で得られる恩恵はさまざまあります。マシニングセンタを導入する際は、製作するものに合わせて選ぶのが重要です。実際に門形マシニングセンタMV16Bxを導入した顧客が感じたメリットがいくつかありました。
◇前工程の加工が効率化
導入後、ワークの設置がしやすくなり、生産性が大幅に向上しました。前工程の加工箇所はそれほど多くないため、実際に機械が占有される時間の大部分は加工時間ではなく、段取り時間に費やされていました。この段取り時間を短縮することが、納期の短縮や全体の効率化に直結しました。
特に、従来の横中ぐり盤では段取りに多くの時間を要しており、作業者の負担も大きかったのですが、新しい設備の導入によりこれが大幅に改善されました。段取りの簡素化と迅速化により、作業者の負担が軽減され、他の作業に取りかかる時間も増えたため、全体的な生産性が向上しました。
◇省スペース化の実現
これまで横中ぐり盤で使用していた治具が不要になったため、導入前よりもスペースが確保できるようになり、作業時もゆとりを持って作業できるようになったとの声があがりました。その結果、作業効率アップにつながり、これまで以上に効率よく生産できるようになったようです。
このように、ニデック製品はさまざまな物を生産できるマシンを多く取り扱っています。また、自社に合った提案もしてもらえるといった点もニデック製品のメリットです。
近年、製造加工業界では自動化が進み、マシニングセンタの導入を検討する企業が増加しています。今回ご紹介する企業も効率化を目指してマシニングセンタを導入しました。顧客は製缶加工から3Dプリントまで幅広く対応しており、特に大物製缶部品の製作・加工が強みです。
しかし、前工程の外注先が廃業したため、内製化が急務となり、精度維持の問題もあり、新しいマシニングセンタの導入を決断しました。ニデックの門形マシニングセンタMV16Bxは、広いテーブルと高い剛性、非切削時間の短縮など多くのメリットを提供し、既存の基礎を活用できる点も評価されました。
導入後はワーク設置のしやすさから生産性が向上し、段取り時間の短縮が効率化に直結しました。省スペース化も実現し、作業環境が改善されました。ニデック製品の導入により、同社は生産性の向上とコスト削減を達成しました。
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