精度の高さでニーズに応え続ける安田工業のマシニングセンタの特徴と強み | マシニングセンタ大解剖
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精度の高さでニーズに応え続ける安田工業のマシニングセンタの特徴と強み
公開:2024.05.27 更新:2024.05.27安田工業は、1929年の創業以来、卓越した精度と耐久性を追求し続けている企業です。多岐にわたる分野で使用される安田工業のマシニングセンタは、徹底した品質管理とエンジニアのこだわりが詰まった製品です。
近年、自動化が進む製造業界においても、高精度な加工を自動化する技術を駆使し、顧客のニーズに応え続けています。こちらでは、安田工業のマシニングセンタの特徴と強みについて詳しく解説します。
目次
高精度マシニングセンタを提供する安田工業
近年、モノづくりの業界では現場の人手不足などにより自動化が進められています。自動化が進む中で、マシニングセンタの存在はますます大きくなり、今やなくてはならない設備となっています。今回は、マシニングセンタの製造を行う安田工業についてご紹介します。
◇0.001㎜の加工精度を実現する安田工業
安田工業は、1929年の創業以来、比類なき精度と耐久性を追求してきた企業です。厳しい品質管理とエンジニアのこだわりが詰まった製品づくりに情熱を注ぎ続け、その結果、世界中のトップメーカーから高い信頼を得ています。
安田工業は「精度が最優先」という一貫した姿勢を貫き、これまでに自動車・航空宇宙産業・半導体・医療など、さまざまな分野の機器を手掛けてきています。高精度かつ高耐久性の工作機械を提供することで、常にワンクラス上の品質を求める顧客と市場から認められています。
◇安田工業の特徴
安田工業は、精度と耐久性に優れたマシニングセンタを専門に製造するメーカーです。キサゲ加工の精度を強みとしており、長年にわたって幅広い分野に携わってきた熟練の職人によって、その精度を維持しています。また、長期間使用しても劣化しにくいよう追求されている製品ばかりです。これまでに28年以上稼働し続けた実績もあります。
安田工業のこだわりとそれを支える技術力
画像出典先:安田工業
安田工業のマシニングセンタは、長寿命で使いやすく、国内はもちろん海外のモノづくり業界からの支持も高いです。こうした長寿で使いやすい製品は、3つのこだわりによってつくられています。
◇精度
安田工業のこだわりの一つは、「1μmを目指す」精度への挑戦です。機械加工だけでは達成できない高い精度を実現するため、安田工業では「キサゲ」という伝統的な技術を活用しています。
キサゲ作業とは、スクレーパーと呼ばれるノミのような工具を使って金属表面を微細に削り、わずかな凹みを作りながら出っ張りを取り除くことで、平面や直角、直線を高精度に仕上げる技術です。この技術は主に鋳物や工作機械の部品に使用され、非常に高い精度が求められる部分に適用されます。
さらに、精度の高い組み立てを行うためには、組み立て時の温度変化を最小限に抑えることが重要です。安田工業では工場内の温度管理を徹底し、24時間の温度変化を0.5℃以内、床面と床から5mの間の温度差を0.6℃以内に保っています。このような厳密な温度管理により、高精度な部品の組み立てが可能となり、卓越した製品品質が実現されるのです。
◇剛性
次に、剛性を支えるガイドウェイとコンストラクションにこだわっています。高耐久のボックスガイドをキサゲ加工により真直度を確保し、締結面に取り付けて振動減衰性を高め、剛性と精度の高さを両立させているのが特徴です。また、剛性の高い機械と高精度の主軸を組み合わせることで、振動や主軸の振れによる工具の摩耗を軽減します。
◇安定性と使いやすさ
長く安定性がある機器を手掛けているのも安田工業の強みです。機体温度制御システムを機器に搭載しています。±0.2℃にコントロールした熱交換液を全体に循環させながら、機械の姿勢変化を防いでいるのが特徴です。
安田工業がこれまで手掛けた機械の中には、28年11ヶ月使用し続けた製品もあります。また、計測・高精度加工・保守・管理の4つの機能がついている安田工業独自のソフトウェアを搭載しているため、使いやすさにも配慮しているのが魅力です。
安田工業では、これまでさまざまな製品を手掛けており、自動化へのニーズにも応えています。ここからは、安田工業が手掛けた製品と自動加工の事例についてご紹介します。
◇リピート率の高さ
安田工業のマシニングセンタは、その高精度により各業界の顧客から強く支持されており、リピート率は6割を超えています。国内外の企業からも高く評価されている理由は、単に高精度な製品を提供するだけでなく、顧客のニーズに応じた幅広い製品ラインアップを持っているからです。近年の製造業界では自動化が進み、多様な要望が増えていますが、安田工業はそれらの要望に応える製品を提供し続けています。
◇一般価格より高くても支持される理由
安田工業が手掛けるマシニングセンタは、高精度な分、一般的なマシニングセンタと比較すると価格が高めです。それでも多くの顧客から支持される理由は、キサゲ加工とテストカットを重視しているためです。
テストカットとは、顧客が製造したい部品を実際に加工してみる工程です。安田工業では、顧客のニーズに応じて積極的にテストカットを行い、その結果を基に工作機械の設計や製作に反映させています。このプロセスにより、顧客が求める高精度な加工を実現できる機械を提供しています。
実際の使用条件に基づいて精度を確認し、顧客の要望に応える製品を提供する姿勢が、多くの顧客からの支持を得ている理由の一つです。
安田工業のマシニングセンタを紹介
安田工業では、これまでさまざまな製品を手掛ける中で自動化へのニーズにも応えているメーカーです。ここからは安田工業が手掛けた製品と自動加工を実現させた事例について、ご紹介します。
◇YBM 950V
YBM950Vは、小型機械部品の高精度加工・高速加工・コンタリング加工など金型加工を目的とした縦型CNCジグボーラーです。長時間の無人運転が可能な自動パレット交換装置を搭載した機種やプリロードスタンドを装備したタイプの2タイプがあり、目的などに合った仕様を選べます。
また、安田工業独自の先進技術を搭載しており、高剛性なプリロード自己調整型スピンドルを搭載し、重切削・高面品位加工を両立させているのが特徴です。さらに機体温度制御システム・高精度補間機能も搭載しており、高精度加工を実現しています。
コンパクトでありながら高い生産性も誇っており、操作性とメンテナンス性がこれまでの製品よりも大幅にアップしているのも魅力です。
◇安田工業だから実現できる自動化に期待
近年、自動化や省力化が国内外で進む中、マシンの進化が求められています。安田工業では、その中でMC加工のみでの自動化を実現しました。顧客が安田工業の製品に期待するのは、「自動で高精度な製品を作れる機械」です。しかし、0プラス5μmの高精度な金型を自動で加工するのは非常に難しい課題です。
安田工業では、この高い要求を満たすために、切削加工後に研削加工を行い、機上計測の結果を基に自動化を実現しました。また、5軸加工機を使用したエンドミル加工のみで、5μm以内の形状精度を維持することが可能です。これにより、従来必要だった工程が不要となり、無人化での加工も可能になりました。
実際に、無人での加工には32時間ほどかかりましたが、高精度を維持しながらの自動化を実現することで、安田工業のマシニングセンタは顧客の期待に応えています。このような高度な技術と自動化の実現が、安田工業ならではの強みとなっています。
安田工業は、1929年の創業以来、高精度と耐久性を追求する企業として、マシニングセンタの製造で国内外の顧客から高い信頼を得ています。同社は「精度が最優先」という姿勢を貫き、自動車、航空宇宙、半導体、医療など多岐にわたる分野で高品質な製品を提供しています。
キサゲ加工やテストカットなどの技術を駆使し、0.001㎜の加工精度を実現しています。さらに、厳密な温度管理や剛性の高い構造により、安定した高精度を維持します。リピート率は6割を超え、高い評価を受けている理由は、顧客の多様なニーズに応じた製品ラインアップと高精度な加工を提供する姿勢にあります。
安田工業の製品は価格が高めですが、その価値を証明しています。また、近年の自動化の進展に対応し、MC加工のみでの自動化や無人化を実現しています。これにより、高精度な製品を効率的に提供し続けることで、顧客の期待に応えています。
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