マシニングセンタとNC旋盤の違いとは?使い分け方を解説 | マシニングセンタ大解剖
特集記事
マシニングセンタとNC旋盤の違いとは?使い分け方を解説
公開:2025.01.09 更新:2025.01.08マシニングセンタは複雑な形状や角物加工に優れ、NC旋盤は円筒形の部品や回転対称の加工が得意です。マシニングセンタには立型、横型、門型があり、用途に応じて使い分けます。メクトロンは自動化装置を提供し、高効率な生産をサポートします。
目次
マシニングセンタとNC旋盤の主な違い
マシニングセンタとNC旋盤は、高精度な金属加工を実現する工作機械ですが、加工方法と工具交換においてそれぞれに特徴と用途の違いがあります。ここでは、これらの違いを解説します。
◇ 加工方法
マシニングセンタとNC旋盤の主な違いは、加工方法にあります。マシニングセンタは、固定された材料に対して工具がX、Y、Z軸の3方向に移動して切削を行います。このため、平面加工や立体的な形状、さらに複雑な曲面加工も可能です。
一方、NC旋盤は円筒形状の材料を主軸で回転させ、固定された切削工具で加工します。これにより、外径加工や内径加工、ねじ切り加工など、回転対称の部品に特化した加工が得意です。シャフトやパイプ、ねじ部品などの円筒形製品は、NC旋盤で高精度に加工できます。
要するに、マシニングセンタは立体的で複雑な形状の加工を得意とし、NC旋盤は円筒形状の部品を回転させながら加工することが得意です。
◇ 工具の交換
工具交換の仕組みも、両者の違いを決定づける要因です。マシニングセンタは自動工具交換装置(ATC)を備えており、工具を瞬時に切り替えて多工程の加工を一度のセットアップで行うことができます。ドリルで穴を開けた後、タップでネジ加工をするなど、連続して複数の工程を処理可能です。
さらに、搭載できる工具の数が多いため、より複雑な加工が可能になります。それに対し、NC旋盤はタレットという工具台に数本の工具を取り付け、そこから工具を選んで切り替えます。従来のモデルでは工具数や切り替え速度に限界がありましたが、最近では複合加工機の登場により、工具交換が自動化されたモデルも増加しています。
それでも、工具の数や交換の柔軟性では、マシニングセンタに劣ることが一般的です。
マシニングセンタとNC旋盤で得意とする加工は違う?
画像出典:株式会社メクトロン
マシニングセンタとNC旋盤は、精密な金属加工を行う機械ですが、それぞれに得意な加工対象があり、使用する目的によって選ばれます。
◇ 丸物加工はNC旋盤が得意
丸物加工とは、円筒形状や回転対称の部品を加工することです。NC旋盤はワークを回転させながら固定された工具で加工を行うため、円筒形の部品に特化しています。この加工方法では、外径や内径の削り、ねじ切り、センター穴の加工などが得意で、シャフトやパイプ、ボルトなどの円形部品を高精度で効率よく仕上げることができます。
NC旋盤は、ワークが回転することで切削力が均等に分散されるため、高速で安定した加工が可能です。また、複雑な回転対称の形状にも対応でき、製造業の多くの分野で使用されています。丸物の加工においては、NC旋盤が最も効率的であると言えます。
◇ 角物加工はマシニングセンタが得意
角物加工とは、長方形や立方体など、直線的な形状の部品を加工することです。マシニングセンタは、材料を固定し、工具がX軸、Y軸、Z軸に動いて加工を行います。このため、平面や溝、穴あけ、さらには複雑な立体的な形状の加工が得意です。角物や複雑な形状を精密に仕上げることができるため、金型や機械部品などの製造に広く利用されています。
マシニングセンタは、1台で多様な加工をこなせるため、特に複雑な形状の加工が求められる場合に有利です。多軸制御が可能な機種もあり、さらに複雑な角物や立体形状の加工に対応しています。角物加工においては、マシニングセンタが最も適しています。
マシニングセンタの種類も使い分けるのがポイント
マシニングセンタにはいくつかの種類があり、各機種は加工形態や部品のサイズに応じて使い分けることが重要です。立型、横型、門型のマシニングセンタについて、それぞれの特性を解説します。
◇ 立型
立型マシニングセンタは、工具が垂直方向に動き、材料がテーブルに水平に固定されるタイプです。この構造により、部品の上面や側面の加工が得意で、穴あけやフライス加工、面取り、溝加工などが効率的に行えます。立型は、部品が比較的小さく、複雑な加工を必要とする場合に適しています。
さらに、工具交換が比較的容易で、高速かつ効率的に作業を進めることができるため、試作品や小ロットの生産、精密な部品の加工に最適です。
◇ 横型
横型マシニングセンタは、工具が水平に回転し、材料がテーブルに垂直に固定されるタイプです。主に大きな部品や重い部品の加工に向いており、複雑な形状や多面加工を効率的に行うことができます。特に、円形や外周加工、長尺部品の加工に適しています。
横型マシニングセンタは、長時間の加工や大量生産が求められる場面に適しており、自動化された生産ラインや大量生産を行う企業にとって非常に有益です。金型や大型の機械部品の加工に向いています。
◇ 門型
門型マシニングセンタは、主軸が天井側に取り付けられ、工具が上下方向に動くのが特徴です。この構造により、大きな部品や重い部品を固定したままで加工ができるため、特に大型部品や重工業用部品の加工に適しています。
門型マシニングセンタは、広い加工範囲を持ち、高精度な加工を一度に行うことができます。大型の金型やプレス部品、航空機部品などを効率よく加工でき、大規模な生産や高精度な仕上げが求められる加工に向いています。
マシニングセンタシステムの構築から相談できるメーカー
マシニングセンタシステムの構築や自動化ソリューションを導入する際に、信頼できるパートナーを選ぶことは非常に重要です。ここでは、マシニングセンタシステムの構築を手掛ける「株式会社メクトロン」が提供するサービスや製品の特徴について詳しく紹介します。
◇ 開発から生産までを支援
メクトロンは、NC工作機械やFA周辺機器の製造・販売を行っている企業で、特にドリリング・タッピングマシンをはじめとした各種工作機械や自動化装置に強みを持っています。これらのマシンはコンパクトな設計ながら、高速で高精度な加工が可能で、限られたスペースでも生産性を最大限に引き出します。
また、メクトロンは多様な加工技術を活用し、金属製品の加工・製造も行っています。品質と納期を両立させる一貫したサポートを提供している点が大きな強みです。
◇ 製品の特徴
株式会社メクトロンが提供する「自動化対応シリーズ」には、さまざまな製品が揃っています。その中でも特に高性能なマシニングセンタとして人気を誇るのが「Twins MTW-T360/T460」です。
「Twins MTW-T360/T460」は、限られたスペースで高効率な生産を実現するマシニングセンタです。従来の2台並列方式を採用せず、1台で複数の自動化機能を兼ね備えており、スペースの削減(最大23%)を実現しています。これにより、設備投資を抑えつつ、効率的な加工が可能となります。
さらに、この機械には長時間の無人稼働を支援するシステムが組み込まれており、ロボットストッカーや搬送装置と組み合わせることで、より高い生産性を発揮します。
マシニングセンタとNC旋盤は、金属加工を行う精密機械ですが、それぞれに特徴と得意な加工方法があります。
マシニングセンタは、固定された材料に対してX、Y、Z軸で工具が動くことで、複雑な立体形状や曲面の加工が得意です。自動工具交換装置(ATC)により、複数工程を一度のセットアップで処理でき、複雑な加工が可能です。特に角物加工や金型製作に向いています。
一方、NC旋盤は、円筒形の材料を回転させ、固定された工具で加工を行うため、円形部品や回転対称の部品(シャフトやパイプ、ねじなど)の加工に特化しています。主に外径や内径の削り、ねじ切りが得意で、回転対称形状の部品に高精度な加工を提供します。
マシニングセンタとNC旋盤は、それぞれ角物加工と丸物加工を得意とするため、用途に応じて使い分けることが重要です。マシニングセンタには立型、横型、門型といった種類があり、部品のサイズや加工形態に応じた選定が求められます。
また、株式会社メクトロンは、NC工作機械や自動化装置を提供し、金属加工や生産性向上をサポートします。特に「Twins MTW-T360/T460」は、限られたスペースで効率的な生産を実現するマシニングセンタで、無人稼働のシステムを備え、ロボットストッカーと連携することで高い生産性を発揮します。
自社にピッタリなマシニングセンタはどれ?
ニーズで選ぶ! おすすめ企業3選
コスト削減とサポート
メクトロン
個別カスタム得意!
充実のアフターサポートも◎
特徴
- ターンキーソリューション対応!設定の手間が省け、失敗のリスクも減らせる
- 自動化システム導入可能!生産性の向上とコスト削減に大貢献
- コンパクトなサイズで設置スペースが限られる工場や作業現場にも適応
品質と耐久性
静岡鐵工所
熟練の技で一台一台を
丹念につくり込む
特徴
- 熟練した職人の手で施される、精密かつ耐久性の高い製品
- 強力なギヤヘッドを搭載し、幅広い加工に対応可能
メディア推奨 メーカー6選