3軸の変化形?進化を遂げる3軸マシニングセンタとJIMTOF2024出展製品を紹介 | マシニングセンタ大解剖
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3軸の変化形?進化を遂げる3軸マシニングセンタとJIMTOF2024出展製品を紹介
公開:2024.09.18 更新:2024.09.18マシニングセンタの基本軸は、Z軸、X軸、Y軸の3つです。これらの3軸は、金属加工の基礎となる軸であり、3軸マシニングセンタは最も基本的なタイプです。しかし、近年の技術革新により、この基本構造にさらなる改良が加えられ、より高精度で効率的な加工が可能となっています。
こちらでは、この3軸マシニングセンタの進化形として注目される最新技術や、JIMTOF2024でメクトロン社が出展する製品を詳しくご紹介します。
目次
マシニングセンタの基本!3軸の特徴とは
マシニングセンタは、金属やその他の材料を精密に加工するために使用される工作機械で、そのなかでも3軸マシニングセンタは最も一般的で基本的なタイプです。3軸マシニングセンタは、多くの製造工程に対応できるため、幅広い産業で使用されています。
◇マシニングセンタの軸の動きと3軸の特徴
マシニングセンタにおける「軸」とは、工具や作業物がどの方向に移動するかを指す要素です。3軸マシニングセンタでは、3つの主要な軸、すなわちX軸、Y軸、Z軸が動きの基礎を成します。X軸は左右の動きを、Y軸は前後の動きを、Z軸は上下の動きを制御します。
3軸マシニングセンタでは、この3つの軸が連動して動作することで、平面加工、穴あけ、溝加工、さらには簡単な3次元形状の加工が行われます。特に、平面部分の仕上げや穴あけ加工が必要な場合には、3軸マシニングセンタは非常に有効なツールです。
◇3軸マシニングセンタのメリット・デメリット
3軸マシニングセンタの最大のメリットは、そのシンプルさと容易な操作性です。操作が直感的で、複雑な設定や特別な知識を必要としないため、比較的短期間で作業者が使いこなすことができます。
導入コストが低く、保守やメンテナンスも容易なこともメリットです。また、汎用性が高く、幅広い加工に対応できるため、多くの工場で活用されています。
一方で、3軸マシニングセンタの最も大きなデメリットは、加工範囲の制限です。3軸の動きだけでは、複雑な3次元形状や曲面を加工することが難しく、多面的な加工が必要な場合には対応できません。斜め方向からの加工や、工具を斜めに動かす作業が必要な場面では、5軸や6軸のマシニングセンタが必要になります。
また、複数の面を加工する場合には、作業物を何度も取り外して位置を変えなければならず、効率が低下することがあります。
3軸マシニングセンタの変化形?2軸に分かれたX軸の利点
画像出典:メクトロン
マシニングセンタのさまざまな技術革新が進むなかで、メクトロン社は特に注目すべき企業のひとつです。メクトロン社の製品の「MTV-SX460W」は、従来の3軸マシニングセンタに革新を加えた設計が特徴で、コンパクトさと自動化技術を兼ね備えた機種として高い評価を受けています。
◇X軸を2軸に分割してコンパクトに
メクトロン社が提供するマシニングセンタ「MTV-SX460W」は、従来の3軸マシニングセンタに新たなアプローチを取り入れています。最大の特徴は、X軸を2軸に分割することにより、従来の機械より26%のコンパクト化を実現している点です。
X軸の動きを2つの独立した動作に分けることで、作業テーブルの効率を高め、スペースを大幅に削減しました。これにより、限られたスペースでも高精度な加工が可能となり、小型部品の大量生産や複雑な形状の加工に適しています。
また、この対向X軸の構造により、機械の軸剛性が安定し、熱変位の影響を平均化して高精度な加工が可能です。生産効率も向上しており、X軸の早送りが2軸で合計100m/minと高速で、長尺物の加工に適しています。
さらに、MTV-SX460Wには、ツール本数25本を持つWアーム自動工具交換装置(ATC)が搭載されています。この自動工具交換システムにより、多数の工具を迅速に交換できるため、複雑な加工や多品種の部品製造にも柔軟に対応できます。
◇自動化技術に定評のあるメクトロン
メクトロン社は、長年にわたり自動化技術に強みを持つ企業として知られており、特にマシニングセンタにおいては自動化の最前線を走る企業です。MTV-SX460Wはその技術力の象徴であり、自動化された工具交換システムや材料供給システムが統合されています。
メクトロン社のマシニングセンタには、MTV-SX460W以外にも注目すべきモデルがあります。例えば、工具を自動で迅速に交換し、工具が直接マガジンから取り出せる「マガジンダイレクトATC」や、2つのアームを使用して工具の交換を行う自動装置「ダブルアームATC」など、現代の製造ニーズに応える数多くのマシニングセンタを提供しています。
JIMTOF2024(日本国際工作機械見本市)に出展
JIMTOF(日本国際工作機械見本市)は、世界中から最新の工作機械や関連技術が一堂に会するイベントであり、日本の製造業界においても重要な展示会のひとつです。2024年にはメクトロン社も出展し、革新的な製品と自動化技術を披露する予定です。
◇JIMTOF・日本国際工作機械見本市とは
JIMTOFは、日本で開催される最大級の工作機械見本市であり、世界的にも重要な技術展示会として知られています。主な目的は、工作機械やその関連技術を広く紹介し、製造業の革新を促進すること、そして各国の企業やバイヤーに新たなビジネス機会を提供することです。
毎年このイベントには、日本国内の企業だけでなく、韓国、台湾、インド、東南アジア、欧米諸国など海外の企業も数多く出展し、各国のバイヤーも来場してビジネスチャンスを広めています。
今年、メクトロン社もこのイベントに出展し、同社の自動化技術とマシニングセンタの最新モデルを披露し、業界内でさらなる認知度を高めることを目指しています。
◇最新技術と革新的な新製品の数々が集結
「JIMTOF2024 第32回日本国際工作機械見本市」は、2024年11月5日から10日まで東京ビッグサイトで開催されます。今年度も、世界中から最新の工作機械やその周辺機器が展示される予定です。
このイベントは単に新製品や新技術が展示されるだけでなく、例えばDXの推進に焦点を当てた企画展示や、次代を担う学生たちによる企画展示など、時代のニーズに応じたイベントも多数開催される予定です。
会場内サービスも充実しており、ビジネスマッチングのスペース設置や、最新技術のデモンストレーションが行われ、参加者は技術革新に触れるだけでなく、新たなビジネスチャンスを見つけることができます。
JIMTOF2024 出典製品をご紹介
メクトロン社のマシニングセンタは、効率的で柔軟な加工が可能な自動化対応機械であるだけでなく、スマートな設計と高い拡張性も特徴としています。ここでは、上述の「MTV-SX460W」に加えて、メクトロン社の代表的なモデルである「Twins MTW-T460」と「MCH381T」をご紹介します。
◇Twins MTW-T460
スマートでコンパクトかつ経済的な設計が特徴のマシニングセンタです。従来2台の機械を使用していた作業を、この1台で自動化できるようになり、工場の作業スペースを23%削減しながら、自動化ラインの効率を大幅に向上させます。
コンパクトでありながら、機械の剛性(頑丈さ)は非常に高く、同じ加工を繰り返す作業から異なる工程を分けて処理する作業まで、さまざまなニーズに対応可能です。さらに、メクトロン製のロボットシステムやコンベアと連動することで、長時間にわたる無人化作業を実現します。
◇MCH381T
工場のニーズに応じて、多種多様なパーツを組み合わせてカスタマイズできるマシニングセンタです。例えば、基本的な3軸(上下・左右・前後の動き)機械に、回転や傾きの動きを加えた4軸や5軸制御の機能を追加できます。また、部品の裏側まで加工できるため、ひとつの機械で多様な作業を完了させることが可能です。
MCH381Tは、工場の加工ニーズに応じてさまざまな形に組み替えられ、無人運転による24時間稼働を可能にするオプションも用意されています。
マシニングセンタは金属やその他の材料を精密に加工する工作機械で、特に3軸マシニングセンタは最も基本的なタイプです。3軸マシニングセンタの特長はその操作性と汎用性で、平面加工や穴あけ加工に優れていますが、複雑な3次元形状の加工には限界があります。
メクトロン社の「MTV-SX460W」は、従来の3軸構造に革新を加え、X軸を2軸に分割することで機械サイズを26%コンパクト化しつつ、生産効率と加工精度を向上させています。また、ツール交換の自動化により多様な加工に対応できるのも魅力です。
同社は2024年のJIMTOFに出展予定で、最新の自動化技術を披露する予定です。その他のモデルとして「Twins MTW-T460」や「MCH381T」もあり、スマートで効率的な加工を実現します。
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