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立て型マシニングセンタの特徴は?BT30とBT40の違いと優れた中型マシニングセンタ | マシニングセンタ大解剖

マシニングセンタの基本

立て型マシニングセンタの特徴は?BT30とBT40の違いと優れた中型マシニングセンタ

マシニングセンタの基本

公開:2024.12.17 更新:2024.12.13

立て型マシニングセンタの特徴は?BT30とBT40の違いと優れた中型マシニングセンタ

マシニングセンタは製造業に欠かせない工作機械ですが、中でも中型マシニングセンタはその汎用性の高さから多くの産業で活躍しています。主軸のサイズによるBT30とBT40の違いを理解することで、適切な機械選択が可能になります。また、立形マシニングセンタは主軸が垂直に配置されているため、精密な加工が容易です。

主軸とは?中型マシニングセンタの特徴

製造現場で欠かせない機器であるマシニングセンタですが、その詳しい仕組みや特徴については意外と知られていないことも多いかもしれません。ここでは、マシニングセンタの中でも特に重要なポイントである「主軸」に注目しながら、中型マシニングセンタの特徴について詳しく解説します。

◇中型マシニングセンタ

中型マシニングセンタは、製造業において幅広く活用される汎用性の高い工作機械です。一般的に、主軸のサイズが40番から50番、テーブルサイズが数百mmから2m前後のものを指します。

この中型マシニングセンタの最大の特徴は、シャンクの保持力と重量のバランスが優れている点です。これにより、様々な加工作業に対応できる高い汎用性を持っています。主に40番の主軸を搭載したモデルが多く、金型加工や自動車部品の製造など、幅広い産業分野で活躍しています。

◇主軸とBTシャンク

主軸は、マシニングセンタにおいて切削工具を高速で回転させる重要な装置です。主軸のサイズは「30番」や「40番」といった番号で表され、これらの数字が大きいほど主軸が太くなります。この主軸を利用して、様々な工具を用いたフライス加工や穴あけ加工などを効率的に行うことができます。

BTシャンクは、マシニングセンタで広く使用されるツーリング規格です。BTは「ボトルグリップテーパ」の略称で、ATC(自動工具交換装置)に対応しています。BTシャンクは主軸とのインターフェースとして機能し、テーパ部分を介して主軸に固定されます。

この設計により、工具の迅速な交換と高精度な位置決めが可能となります。シャンクは、切削工具を主軸に確実に固定する役割を果たします。テーパ形状により、芯のブレを最小限に抑え、高精度な加工を実現します。BTシャンクは、マシニングセンタにおいて最も一般的に使用されるシャンク規格の一つです。

立形マシニングセンタは、主軸が垂直方向に配置された工作機械です。この構造により、工具を縦向きにセットし、加工テーブルの上面から切削を行います。立形マシニングセンタの特徴として、加工方向を図面と一致させやすく、加工ミスを減らせる点が挙げられます。

また、コンパクトな設計で省スペース性に優れ、工具刃先と加工物の距離を目視で確認しやすいという利点もあります。これらの特性により、立形マシニングセンタは多くの製造現場で広く使用されています。

BT30とBT40の違いは?と立て型マシニングセンタの特徴

メクトロン MTV-T471

画像出典:メクトロン

工作機械の中でも、特に広く利用されているのがBT30とBT40のマシニングセンタです。これらは主軸のテーパーサイズによって分類され、それぞれに適した用途や性能が異なります。また、立て型マシニングセンタはその構造上の特徴から、さまざまな加工に対応可能で、多くの製造現場で活躍しています。

◇BT30とBT40の違い

BT30とBT40は、マシニングセンタの主軸サイズを表す規格で、それぞれ異なる特徴と用途を持っています。BT30は、主軸径が約30mmの小型マシニングセンタに使用される規格です。

この規格の特徴は、高速回転と高密度加工が可能な点です。軽量で取り回しが良いため、精密部品や小型製品の加工に適しています。また、コンパクトな設計により省スペースでの設置が可能で、消費電力も少ないため、工場全体のコストダウンにつながります。

一方、BT40は主軸径が約40mmで、BT30よりも大きく、剛性が高いのが特徴で、中型マシニングセンタはこの規格を指します。この規格は、金属加工や自動車部品の製造など、より重い切削作業に適しています。

BT30と比較すると、重金属の切削にも対応できる場合があり、より幅広い用途に使用できます。BT30は高速・高精度加工に向いていますが、重切削には向いていません。対してBT40は、BT30の特徴を維持しつつ、より重い切削作業にも対応できるため、汎用性が高いと言えます。ただし、BT40はBT30よりも機械本体が大きくなり、価格も高くなる傾向があります。

◇立て形マシニングセンタの特徴

立て形マシニングセンタの主な特徴は、加工の向きを図面と一致させやすい点です。これにより、作業者は直感的に加工内容を理解しやすく、加工ミスを減らすことができます。また、切削工具の刃先と工作物との距離が目視で確認しやすいため、精密な加工が可能です。

構造がシンプルで比較的コンパクトなため、省スペースでの設置が可能です。これは、小規模な工場や限られたスペースでの使用に適しています。加えて、主軸が上部にあるため、加工エリアを広く使用できる利点があります。

ただし、切粉がテーブル上に堆積しやすいという特性があるため、定期的な清掃や適切な切削油の使用が必要です。また、コラムの剛性が不十分な場合、切削抵抗による振動が発生し、加工精度に影響を与える可能性があります。

優れた性能を持つ中型マシニングセンタ

国内外には多くの中型マシニングセンタが販売されています。ここでは、特に注目すべき中型マシニングセンタとその主要なメーカーを3つに絞ってご紹介します。

◇メクトロン

メクトロンは1929年創業の老舗工作機械メーカーです。同社の主力中型マシニングセンタには「MTV-T471」と「MTV-SX460」があります。「MTV-T471」は広い加工エリアと25本のツール収納能力を持ち、重切削ワークに適した高剛性・高トルクのBT40マシンです。

「MTV-SX460」は革新的な設計により、従来サイズから26%のコンパクト化を実現しました。X軸を2軸に分割し対向配置することで、軸剛性が向上し、熱変位の影響も平均化されています。さらに、X軸の移動速度が2倍になり、サイクルタイムの短縮に貢献しています。

◇ニデック・オーケーケー

ニデック・オーケーケーは1915年設立の老舗工作機械メーカーです。同社の主要中型マシニングセンタには「VB-X650」と「VP400」があります。「VB-X650」は高速加工性、省スペース性、優れた作業性を兼ね備えた小型5軸加工機です。

従来機種から構造を一新し、回転軸を含む送り軸速度や環境熱変位耐性が向上しています。「VP400」は豊富なバリエーションが特徴で、高速性能による生産性向上と新構造・新技術による高精度加工を実現しています。

◇ジェイテクト

ジェイテクトは2006年に設立された比較的新しい企業ですが、駆動部品や工作機械の製造・販売で知られています。同社の主力中型マシニングセンタ「PV640J」は、加工対象物の配置を工夫することで、テーブル移動型の立て形マシニングセンタよりも高い剛性を実現しています。

また、高剛性三点支持ヘッドの採用により、高精度な加工が可能です。これらの特徴により、「PV640J」は効率的かつ精密な加工を必要とする現場で高い評価を得ています。


マシニングセンタの主軸は、切削工具を高速回転させる重要な装置です。主軸サイズは30番、40番、50番などがあり、数字が大きいほど主軸が太くなります。中型マシニングセンタは主に40番から50番の主軸を持ち、テーブルサイズは数百mmから2m前後です。

BT30とBT40は主軸サイズを表す規格で、BT30は小型・高速加工向け、BT40は中型・重切削向けです。立形マシニングセンタは主軸が垂直に配置され、加工方向を図面と一致させやすい特徴があります。 中型マシニングセンタの特徴は、シャンクの保持力と重量バランスが優れ、汎用性が高いことです。

金型加工や自動車部品製造など幅広い産業で活用されています。メクトロン、ニデック・オーケーケー、ジェイテクトなどのメーカーが、高性能な中型マシニングセンタを提供しており、それぞれ独自の技術で生産性向上や高精度加工を実現しています。

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