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マシニングセンタの自動化を促進する周辺機器を徹底解説 | マシニングセンタ大解剖

マシニングセンタの基本

マシニングセンタの自動化を促進する周辺機器を徹底解説

マシニングセンタの基本

公開:2024.09.26 更新:2024.09.26

マシニングセンタの自動化を促進する周辺機器を徹底解説
画像出典:PR TIMES

マシニングセンタの自動化は、効率的な生産体制を確立する上で重要な要素です。その自動化を支える周辺機器には、自動パレット交換装置(APC)や自動ワーク交換システム(AWC)、オートローダーなどがあり、これらの機器は作業の手間を減らし、自動化の促進や省人化を実現します。

また、ツールセッターやタッチプローブなどの測定機器は加工精度を高めるために不可欠です。こちらでは、マシニングセンタの自動化を促進する周辺機器の機能と役割を徹底解説します。

マシニングセンタの周辺機器の役割

マシニングセンタは、精密な加工を行うために欠かせない工作機械ですが、その性能を最大限に引き出すためには、周辺機器の活用が重要です。周辺機器は、加工効率の向上や精度の安定を支える役割を果たし、作業の自動化や品質向上に貢献します。

◇周辺機器とは

マシニングセンタにおける周辺機器とは、加工機本体の機能を補完し、生産性や効率を向上させるための装置を指します。具体的には、自動パレット交換装置(APC)や自動ワーク交換システム(AWC)、ローダーなどが該当します。


これらの機器は、加工工程における作業の手間を減らし、無人化や省人化を実現するための重要な役割を果たします。例えば、加工が終わったワークの取り外しや、新しいワークの装着を自動化することで、人手による作業を大幅に削減します。


また、周辺機器は加工精度の向上にも貢献します。作業中に発生する細かな切削くずや油を除去する装置があり、これによりワークの品質が安定します。

さらに、切削油の管理や温度調整を行う装置も含まれており、これらが一体となって高品質な製品を効率よく生産できるようサポートします。周辺機器は、生産の安定性や品質維持に欠かせない要素です。

◇周辺機器の選び方

周辺機器を選ぶ際には、まず加工するワークの種類や生産量をしっかりと考慮することが重要です。例えば、多品種少量生産を行う場合、自動パレット交換装置(APC)を導入すると効率的です。


APCは、複数のワークを事前にセットしたパレットを自動で交換できるため、段取り替えの手間を大幅に削減できます。これにより、多品種の加工に柔軟に対応することが可能です。また、加工中に次のワークの準備ができるため、無駄な待ち時間が発生しません。

一方、少品種大量生産を行う場合は、ワークハンドリングシステムやオートローダーが有効です。特にオートローダーは、同じ種類のワークを連続して大量に処理する際に効率を上げる装置です。


このように、周辺機器の選定は、生産する製品の特性に応じて慎重に行う必要があります。
適切な機器を選ぶことで、工場全体の生産性が大幅に向上し、コスト削減や作業時間の短縮にもつながります。

マシニングセンタの主な周辺機器

APC搭載マシニングセンタ

画像出典:ナブテスコサービス株式会社

マシニングセンタの作業効率を向上させるためには、主な周辺機器の活用が非常に重要です。特に、自動化されたシステムは、加工のスピードと正確さを保ちながら作業を効率化します。

◇APC: 自動パレット交換装置


APC(Auto Pallet Changer)は、マシニングセンタにおける重要な周辺機器のひとつです。
主に横形マシニングセンタで使用され、パレットと呼ばれる加工物を載せたテーブルを自動で交換します。

これにより、作業者が加工機に触れることなく、連続して異なる加工物をセットし、稼働率が向上します。効率的な生産を実現します。パレットを交換することで、準備段階でワークをセットしておけるため、機械の停止時間を最小限に抑えます。

◇AWC: 自動ワーク交換システム


AWC(Auto Work Changer)は、マシニングセンタのさらなる自動化を進めるためのシステムです。ワークとは加工対象物のことを指し、このシステムを導入することで、加工が終了したワークを自動で取り出し、新しいワークをセットできます。


これにより、手作業でのワーク交換にかかる時間や労力を大幅に削減し、効率的な連続稼働が可能です。また、産業用ロボットを組み合わせることで、ワークの寸法測定や不良品の判別も自動で行うことができ、品質管理の精度向上にも寄与します。


このような自動ワーク交換システムは、無人稼働や省人化を目指す工場において大いに役立ちます。

◇オートローダー


オートローダーは、マシニングセンタで使われる自動化装置の一種で、加工ワークを自動で着脱するために使用されます。中でもガントリーローダーと呼ばれるシステムが多く採用されており、加工機の上部に設置されるレール上をワークが高速で移動します。

これにより、特に量産部品の高速搬送や、連続した自動加工が可能となります。工場内のレイアウトに合わせて設計され、複数の機械に対応することも可能です。オートローダーを導入することで、作業者の負担を軽減し、製造ライン全体の効率を大幅に向上させることができます。量産現場での時間短縮や稼働率向上に貢献します。

回転テーブルの種類とそれぞれの機能

マシニングセンタの高精度な加工を支える重要な周辺機器のひとつに「回転テーブル」があります。回転テーブルは、ワークを多面から加工する際に、その位置や角度を精密に調整する役割を果たします。

回転テーブルにはさまざまな種類があり、それぞれに特化した機能が搭載されています。以下でそれぞれ詳細に解説します。

◇インデックステーブル

インデックステーブルは、角度を一定の単位で調整しながらワークを固定する回転テーブルの一種です。主に1度や5度単位で位置決めができるため、複数の面を加工する場合に効果的です。


インデックステーブルの構造は「カービックカップリング」という歯型構造を持つ円盤を使っており、非常に高い剛性を発揮します。このため、特に大きな切削抵抗を伴う加工にも対応可能で、重切削の場面でも安定した加工を実現します。

◇ロータリーテーブル

ロータリーテーブルは、精密な角度調整が可能な回転テーブルで、0.0001度単位という高精度で角度を設定できます。この高い精度により、複雑な3次元曲面や精密形状の加工が可能となり、特にギアや歯車などの高精度な部品加工で威力を発揮します。

ロータリーテーブルは、ウォームギアと歯車の噛み合わせで駆動するため、切削中にもワークを回転させられるのが特徴です。

◇CNC円テーブル

CNC円テーブルは、ロータリーテーブルと似た機能を持ちながら、さらに「チルト機能」という傾斜角度調整が加わった回転テーブルです。このため、切削中にワークの傾きを自由に調整でき、複雑な形状の加工やアンダーカットなどの難易度の高い加工にも対応できます。


また、CNC円テーブルは回転速度を上げることにより、NC旋盤と同等の旋削加工を行えるため、機械の多機能化にも貢献します。

マシニングセンタの測定センサ

マシニングセンタの加工精度を高めるためには、ツールやワークの状態を正確に把握することが重要です。そのために使用されるのが「測定センサ」です。

ツールセッターやタッチプローブといった周辺機器は、工具やワークの寸法を自動で測定し、加工中に必要な補正を行います。これにより、加工の精度を向上させ、不良品の発生を防ぐことが可能です。

◇ツールセッター

ツールセッターは、マシニングセンタで使用される工具の長さを測定するための周辺機器です。主に工具の摩耗や折損を自動的に検知し、補正する役割を果たします。ツールセッターには接触式と非接触式があり、接触式は工具が直接ツールセッターに触れることで精密な測定が可能です。

これにより、工具の位置がミクロン単位で正確に測定され、NC装置にフィードバックされます。また、加工精度が向上することで、不良品の発生を未然に防ぐことが可能です。接触式ツールセッターは、その高い精度と安定した動作から、さまざまなマシニングセンタで広く使用されています。

摩耗や折損をリアルタイムで検知することで、工具交換のタイミングを適切に判断でき、加工の停止を最小限に抑えることが可能です。

また、加工途中での工具交換時にも、再度ツールセッターで長さを確認することで、加工精度が保持されます。

◇タッチプローブ

タッチプローブは、マシニングセンタで使用される測定センサーの一つで、加工中のワークの寸法や位置を自動的に測定するために使われます。このセンサーは、主軸に取り付けられた状態でワークに軽く接触し、ミクロン単位で位置や寸法を計測します。

タッチプローブによって得られた測定データはNC(数値制御装置)にフィードバックされ、加工精度の向上に役立ちます。特に複雑な形状の部品を加工する際や、精度が求められる金型や航空機部品の製作では、タッチプローブが欠かせません。

加工前後にワークの位置決めや芯出しを行うことで、段取り時間の短縮と高精度な加工が可能になります。さらに、加工後に寸法検査を行うことで、不良品が次の工程に進むのを防ぎ、生産効率も向上します。


マシニングセンタは精密な加工を行うための機械ですが、その性能を最大限に発揮するためには周辺機器の活用が不可欠です。

自動パレット交換装置(APC)や自動ワーク交換システム(AWC)、オートローダーなどの周辺機器は、作業の自動化や省人化を実現し、生産効率を大幅に向上させます。これにより、手作業の負担を軽減し、稼働率を高めます。

また、ツールセッターやタッチプローブといった測定センサーは、工具やワークの寸法を正確に測定し、加工の精度を高め、不良品の発生を抑えることが可能です。これらの周辺機器は、生産性向上と高品質な加工の実現において重要な役割を果たします。

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