軽量化と安定した品質が求められる航空機部品製造で活躍するマシニングセンタ | マシニングセンタ大解剖

航空機部品の製造には、軽量化と安定した品質が非常に重要です。部品が軽量であることは、燃費向上や飛行性能の維持に直結し、また品質の安定性は安全性を確保するために欠かせません。このような厳しい要求を満たすため、多くの製造現場でマシニングセンタが活躍しています。

特に、素材に応じた精密加工が求められる航空機部品製造において、マシニングセンタは効率的かつ高精度な加工を実現し、軽量化と品質の両立を可能にします。

軽量でかつ強い強度が求められる航空機部品

航空機に使用される部品には、軽量で強度が強いものが求められます。その理由として、過剰な重量は燃料をより多く消費してしまうだけではなく航空機の離着陸距離、速度、上昇率、最大高度、航続距離、操縦性などに悪影響を及ぼす可能性があるためです。

◇軽量化が求められる背景

航空機の機体が重い場合、飛行にあたり、より多くの燃料を消費してしまいます。これに加え、航空機の離着陸距離、速度、上昇率、最大高度、航続距離、操縦性において、さまざまな悪影響を及ぼす可能性があるともいわれています。そのため、航空機および航空機部品の軽量化が求められます。

なお、航空機部品の軽量化が求められる背景のひとつとして、脱炭素化への動きが挙げられます。昨今、持続可能な社会の実現に向け、世界中のさまざまな分野や産業で脱炭素化や二酸化炭素の排出量の削減に取り組んでいます。こういった背景もあり、航空機および航空機部品は軽量化が求められます。

なお、航空宇宙産業は脱炭素化や二酸化炭素の排出量の削減に対する取り組みとして、航空機および航空機部品の軽量化の他にも、排出物や廃棄物の削減に伴う持続可能な業務の向上を目指しています。

◇航空機の内部部品は多種多様

航空機は大きく分けて、機体、エンジン、装備品の3つで構成されており、その内部にはおよそ3,000,000～6,000,000点ものさまざまな部品が使用されています。

なお、航空機の内部部品は厳しく管理されており、全ての部品は国土交通省航空局の認証を取得されたものでなければなりません。つまり、航空機の内部部品は安全性をはじめ、部品の一つひとつの品質や精度の維持・管理が求められます。

航空機部品製造で求められること

画像出典：株式会社イワシタ

航空機の部品を製造する際、2つの要素が求められます。例えば、素材の特性を理解した加工、安定した品質の維持がそれにあたります。なお、これらの他にも、品質保証制度が求められる場合もあります。

◇素材の特性を理解した加工

航空機の部品を製造する際、素材の特性を理解した加工が求められます。なお、航空機にはアルミ合金、チタン合金、インコネルといったさまざまな素材が使用されており、誤った加工を施してしまうと、歪み、溶着、むしれ、加工硬化などが生じる原因となります。

また、素材によっては誤った加工を施してしまうと、本来の強度がなくなり、耐疲労性が確保できなくなってしまいます。これにより、事故を招いてしまうおそれがあり、非常に危険です。そのため、航空機の部品を製造する際は素材の特性を理解した加工が求められます。

◇安定した品質の継続

航空機の部品を製造する際、安定した品質の継続が求められます。なお、安定した品質の継続を行うためには工程設計が必要となります。工程設計とは、使用する素材をはじめ、各工程の加工図、ツーリングリスト、治工具、使用する加工プログラムなどが詳細に記載されたもののことを指します。

簡単に説明すると、加工する順序や品質の管理に関する流れが記載されたマニュアルといえるでしょう。工程設計があるからこそ、作業者が代わっても、安定した品質の継続が可能となります。なお、安定したハイレベルな品質の継続を求める場合は適切な工程設計が求められます。

オーダーメイドの工作機器を提供するイワシタ

株式会社イワシタはカスタマイズやオーダーメイドの工作機器を提供しています。そのため、カスタマイズやオーダーメイドの工作機器をご希望であれば、株式会社イワシタを選択肢のひとつとされてみてもよいでしょう。

こちらでは、オーダーメイドの工作機器を提供する株式会社イワシタおよび株式会社イワシタの代表的な製品である長尺NC加工機について、詳しくご紹介いたします。

◇株式会社イワシタとは

株式会社イワシタとは、福井県福井市に本社を構える特殊工作機械メーカーのことを指します。株式会社イワシタはマシニングセンタ（長尺NC加工機）の他にも、アルミ切断機、フライス盤、特殊工作機械・専用機、ハイレシプロ精密研削盤、門形マシニングセンタ、超音波研削盤といったさまざまな工作機器を取り扱っています。

株式会社イワシタはそれぞれの顧客の要望に合わせて、カスタマイズやオーダーメイドのマシニングセンタの製造・販売を行っており、航空機分野、建築分野、鉄道分野、自動車分野、環境エネルギー分野といったさまざまな分野でその優れた技術を提供してきました。

◇イワシタのマシニングセンタ

株式会社イワシタのマシニングセンタは、精密で効率的な加工を実現する工作機器であり、特に長尺NC加工機と門形マシニングセンタが代表的な製品です。

まず、長尺NC加工機は、6m以上の長尺材の加工に特化しており、ワンチャックでの加工が可能です。これにより、段取りが簡単になり、アルミや鉄、カーボン、樹脂といったさまざまな素材に対応できます。また、多様なカスタマイズオプションが用意されており、個別のニーズに合わせた加工が可能です。

一方、門形マシニングセンタは、テーブルが固定されているため、主軸部が門形で移動し、大型の材料を安定して加工できます。エンドミル加工、穴開け加工、タップ加工などに対応し、特に大きな部品や重い材料の加工に適しています。

これらの機械は、高い柔軟性と精度を兼ね備え、様々な加工ニーズに応えることができる点が、イワシタの強みです。

オーダーメイドで生産性向上と品質安定に成功

画像出典：株式会社イワシタ

オーダーメイドであれば、お客さまお1人おひとりのご希望やご要望に合わせて、製造されるため、生産性の向上と品質の安定の実現が期待できます。

こちらでは、株式会社イワシタの長尺NC加工機ILMシリーズを導入されたことにより、生産性の向上と品質の安定の実現に成功された事例について、詳しくご紹介いたします。

◇イワシタのマシニングセンタを選んだ理由

航空機内装部品の加工や組み立てを手掛ける企業の事例です。航空機産業の好況に伴い、増産を行うにあたり、株式会社イワシタの長尺NC加工機ILMシリーズを3台導入されました。なお、こちらの企業は特殊な形の部品の加工を行っていることもあり、カスタマイズ性の高さから株式会社イワシタのマシニングセンタの導入を決めたようです。

◇導入にあたってのこだわり

特殊な形の加工を行う際、通常のエアーバイスによる固定では微妙な調整ができず、加工中に変形してしまったり、外れてしまったりする場合を考慮し、ハンドバイス仕様に変更されました。これにより、熟練の勘に頼る必要が少なくなったため、女性であっても簡単に作業を覚えられるようです。

◇導入後の効果

こちらの企業は長年にわたり、株式会社イワシタの工作機器を使用され続けています。株式会社イワシタは工作機器の購入後も試運転やオペレーターの教育などをも非常に丁寧に対応してくれるため、一切のトラブルなく、工場の始動と同時期に生産の開始が可能となりました。

航空機部品には軽量かつ高い強度が求められ、これは燃費や飛行性能に直結する重要な要素です。さらに、脱炭素化に向けた取り組みの中で、航空機や部品の軽量化がますます求められています。

航空機内部には数百万点の部品が使用されており、品質と精度の管理が厳しく求められます。部品製造においては、素材の特性を理解した加工と、安定した品質を維持するための工程設計が重要です。

株式会社イワシタは、航空機部品の加工に対応する高精度な工作機器を提供しており、長尺NC加工機や門形マシニングセンタなどが代表的な製品です。これらは、高いカスタマイズ性と精度により、生産性向上と品質の安定に貢献しています。